リングポンプについて

アクアテックは、リングポンプの開発により、従来のチューブポンプの弱点であったチューブ寿命を大幅に延ばすことに成功しました。
以下では、従来のチューブポンプと比較しながら、リングポンプの特徴についてご説明します。

日本工業出版株式会社発行の油空圧技術 2023年11月号 に掲載されたリングポンプの解説記事を ダウンロードできます。
(公開データは、当社で作成した記事原稿のPDFになります。)
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リングポンプの構造・動作

リングポンプの構造
リングポンプの動作

リングポンプは、上の図に示すように、
 ・逆Ω形状の凹みがあるベース
 ・その凹みの内側に沿わせて挿入された
  チューブ
 ・回転中心がずれた円筒状の偏心ローター
 ・偏心ローターに挿入されたリング
 ・回転軸がベースの凹みの円筒部中心になる
  ように、ベース裏面に取り付けられた
  モーター
 ・チューブ、偏心ローター、リングを収める
  ためのふた部材
  (図は、ふたを外した状態)
で構成されています。
偏心ローターの偏心量の一番大きなところ(図の回転軸の右側)で、リングを介してチューブを押圧しています。
このような構成で、モーターを右回転(矢印方向に)させると、下のアニメーションのように動き、 押圧部が圧迫点1→圧迫点2→圧迫点3と移動する動きを繰り返します。
モーターが回転し圧迫点が移動すると、押圧されていたチューブの吸入側ではチューブの押圧がなくなり、 チューブは、その弾性で元の形にもどり、その部分の圧力が低くなり液体を吸込みます。
また吐出側は、圧迫点が移動することによって液体が絞り出されるように吐出します。

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従来型チューブポンプ
(ローラーポンプ)との比較

「従来型ポンプとの比較」
リングポンプは、直径の大きなリングで、緩やかに チューブを圧迫する仕組みを採用。
「従来型ポンプとの比較」
従来型チューブポンプは、複数個の直径の小さい ローラーで、チューブをしごく仕組みでした。
上記の構造により、
  • 従来型チューブポンプは、直径の小さなローラーでチューブを押すためチューブの変形が急激で、それに比べ、リングポンプは、直径の大きなリングで押すためチューブの変形が緩やかです。
  • 従来型チューブポンプは、複数個(例えば上図では4個)のローラーが必要で、1回転に複数回(上図の場合は4回)チューブが押されますが、リングポンプは、チューブが押されるのは1回転に1回のみなので、チューブへの負担が軽減されます。
  • チューブへの負担はチューブ内面にもおよび、運転時間が長くなると圧縮と摩擦のため粉砕されたかけらが 発生します。チューブへの負担が少ないリングポンプは、従来型チューブポンプに比べこの摩耗粉の発生も少なくなります。
    摩耗粉の発生に関する当社の実験データをダウンロードできます。ダウンロードは、ここをクリック。)
これらの理由により、リングポンプはチューブの長寿命化を実現したポンプとなっています。
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リングポンプの特長

リングポンプは、そのシンプルな構造により、多くのメリットを実現しています。

  • チューブにやさしい設計で、チューブの長寿命化を実現。
  • 構造がシンプルなので小型化に適している。吐出量 30nL/min の超小型ポンプ(RP-TXシリーズ)も製品化しています。
  • チューブを常時閉塞する構造により、逆止効果があります。ただし吐出側にかかる圧力によっては、逆止効果はかならずしも完ぺきと言えませんので、逆止弁の使用をお勧めします。
  • チューブを常時閉塞する構造により、自吸効果があり呼び水が不要です。
  • 2~3連結のポンプも可能です。多連にすることにより脈動の低減が可能です。標準機種で、RP-2S・RP-2GⅡシリーズを製品化しています。
  • 適切なチューブ材質を選定することにより、各種液体の送液が可能です。使用する液体を提供していただければ、当社でチューブの耐薬品性試験を実施し、適切なチューブの選定をお手伝いしています。

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リングポンプ搭載機器例

ポンプは、外部から見えることは少ないですが、身の回りの色々なところで使われています。
以下は、当社リングポンプをご採用いただいている、主な機器・用途の例です。

分野 使用機器・用途例
飲料品、
食品関係
還元水生成器
つゆ・だし供給装置
カップコーヒー販売機
洗浄、
清掃関係
ランドリー
洗車機
床洗浄機
温水洗浄トイレ
印刷機 業務用大型印刷機
養殖・
栽培関係
水耕栽培
海産物の養殖関連
医療、
介護関連
人工透析器
介護浴槽
手指消毒機器
工業 切削油・プレス油供給
恒湿槽
研究 細胞培養関連
バイオテクノロジー関連
再生医療関連
Micro-TAS関連
宇宙 宇宙ステーションでの実験装置